衝撃を受けたミロ「花火」への疑問として、日本の影響を考えます
Ⅱ、ミロ「花火」への疑問
それからも折に触れ、「花火Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」について考え続けた。
疑問があった。
①「花火」に水墨画、日本の影響はないのか。
②そしてそれは本当にアメリカ抽象表現主義の影響か。
③そもそもあの作品はなぜ花火というタイトルなのか。
そして、なにより、花火の力はどこから来るのか。
Ⅱ-1、ミロ「花火」に日本の影響はないのか。
これらの疑問を解決するために、図書館でミロ関連の本を借りた。
一番目の疑問「花火」の筆致と構図はアメリカ抽象表現主義の影響か、水墨画の影響ではないか、への答えを見つけた。正確には答の半分。
「この『水墨画の花火』とでも形容できる作品と比較すべきなのは、欧米のドリッピングや抽象表現主義ではなく、日本の前衛書道だろう。この作品では、壁に立てかけたカンヴァスを伝って絵具が『垂れ落ちて」いる。絵具を『ぶつけ』たり『撒き散らす』アクション・ペインティングとは一味違った、偶然に身をまかせる感覚を見て取ることができる。」「花火Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」が写真入りで取り上げられていてそこに記されていた。(松田健児 副田一穂著『もっと知りたいミロ 生涯と作品』「三連画という形式」p70、71 東京美術 2022年 以下『知りたい』と略)。
やはり、水墨画、日本だったのだ。少なくともそう観る人もいる。
そしてさらに前衛書道の影響とある。
別のものにも同じ方向のことが書かれていた。
「ミロは日本びいきである。一九一七年に制作した「E・C・リカルトの肖像」の背景には浮世絵が使われている。」と書かれた後、「日本の書道に傾倒するミロの作品の中には、黒い太い線の流れが書そのものの味わいをもっているものもある。」とあって、おそらくその一つは花火だろう。(長谷川智恵子『「美」の巨匠たち』「ホアン・ミロ」p327 講談社 2010年)。
やはり日本、しかし、書道。
前衛書道をググってみた。(*2)
「第二次世界大戦後に新しい芸術観に基づいて起こった革命的な書道芸術運動によって開拓された新しい書道の分野。」「視覚平面芸術として純粋に造型・線・墨色・余白などの美しさを主張している」とある。
画像を見ると、なるほど、いくつかの作品は、ミロの花火の頂にあたるところ、墨をこすりつけたような部分に共通のものが感じられる。アップされている限りでは、垂れ落ちる線のある作品は見当たらなかったが。
そしてまた1968年ミロ自身がその絵画について、
「日本の書を想起させる。なぜなら、私は日本の魂と深く共鳴していると感じるからだ。」(ピエール・ブルシエによって引用されたミロの言葉。ミロ展2025年カタログ ジェローム・ヌートル「ミロ――近現代美術史を映し出す鏡」p27 以下「近現代」)。
あるいはまた1970年、
「私は日本の書道家の作品に魅了され、それは間違いなく技法の点でも影響をうけている。」(Joan・Miró,interview with Margit Rowellからの引用「近現代」p27)。
ミロ自身が、日本の書道からの影響を語っている。その書道とは、前衛書道のことだろう。ミロの訪日は1966年と68年、花火は1973年の作品、時期的にも頷ける。
私と同じく「花火ⅠⅡⅢ」に水墨画を見る他の感想もある。
SNS上、note、kajiさんの。(*3)
「そして、最後に展示されていた衝撃の作品。会場の遠目から視界に入った瞬間に、なにこれ《松林図屏風》的な!?と思ったら、タイトルはまさかの《花火》 いやー、ミロ、凄い。」
ググる。(*4)
「松林図屏風」の写真を見れば、kajiさんの感想に頷かされる。私は、水墨画でこれを思い浮かべていたのではないが。何をと問われても出てこない。どこかで観たことのある水墨画特に山水画のイメージだろう。
ミロの「花火」には、やはり水墨画の影響があった。そう見る人がいる。しかし、新たに前衛書道の影響もあるという。
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